現行FIFAランキングの特徴を説明するからちょっと聞け

要点

  • 日本のFIFAランクは「勝てる公式戦」であるアジア杯とW杯最終予選の直後半年だけ上がる。
  • W杯とコンフェデで合わせて勝ち点10を取れるようになれば20位以内で安定するはず。
  • そうなるまでは各大陸の大陸杯・予選レギュレーションでどうとでもなるから細かいことは気にするな。

本文

FIFAランキングの上がり下がりについて、しばしばランク計算の仕組みが理解されないまま話が進んでおり見ていてモヤモヤするので、簡単に説明する。FIFAランクの現行の計算方式から、重要度が高い順にかいつまんで説明すると:

  • いずれにしても勝たないとランクは上がらない
  • 親善試合に比べれば、どんなクソ試合でも公式戦の方が実入りがいい(倍率2.5〜4)
    • 例えば親善試合でFIFAランクトップ10に勝つのとアジア杯予選でFIFAランク100位代に勝つのは同程度(500ポイント余り)
  • 全試合の平均値をランキング用ポイントとするので、ポイント獲得効率が低い試合は(南米欧州の強豪との親善試合であっても)しない方がランキングは上がる
    • 相手の強さや大陸係数も効いてくるが、そもそも勝ったか負けたか、公式戦か否かに比べれば影響は小さい

日本のFIFAランクは「勝てる公式戦」であるアジア杯とW杯最終予選の直後半年だけ上がる

ここから大まかに2つのことが言える。一つ目は、FIFAランクのポイントは公式戦の周期4年間に合わせて、「勝てる公式戦」が多い時期は上がりやすく少ない時期は下がりやすいと言う傾向が生じる。日本でいえば、「勝てる公式戦」が他大陸に比べ多くなるアジアカップ直後と最終予選直後の時期はランキングが上がりやすい。一方で、コパ・アメリカやEURO、欧州予選が終わるとそちらの大陸公式戦をこなした国のランクが上がるので、日本のランクは相対的に下がることになる。コンフェデとW杯本戦も公式戦だが、勝たないことにはポイントが稼げないので、大会ごとに獲得ポイントは異なる。逆に言うとこの2つの大会で安定して勝てるようになると概ね20位圏内に安定して入れるので、大会の開催周期の影響を強く感じるのはそこで勝ててないが故であるともいえる。

各大陸の大陸杯・予選レギュレーションでどうとでもなるから細かいことは気にするな

 もう一つ言えることは、「弱いチームとの公式戦でカレンダーを埋めると最も効率よくポイントを稼げる」ということである。2014年の時点でアイスランドのランキングが高いのはまさにこれが理由で、ワールドカップ欧州予選で奇跡的に楽なグループE(スイス、アイスランド、スロベニア、ノルウェー、アルバニア、キプロス)に入り、公式戦で弱いチーム相手に勝ちまくって平均600ポイント荒稼ぎしたためである。これはほぼ籤運によるものであって、日本が欧州予選E組に入っていればスイスと2強体制で荒稼ぎしたことだろう。FIFAランクを上げたければ、アジアでも同じことをすべきである――2014年後半現在でイランが日本を上回っているのは、アジアカップ4強に入れず予選をやらざるを得なかったことで公式戦が増え、ポイントが稼ぎやすくなったためである。言い換えると、負けたゆえにポイントが稼げるという奇妙なことになっている。これと同じ伝で、AFC内で弱い国との対戦が多くなるような公式戦を増やし、ポイントを荒稼ぎすればランクは上がるだろう。その代わり限りあるAマッチデーから欧州南米強豪との親善試合を外すことになる(それが日本サッカーにとっていいことだとは思えないが)。

 アジアでの試合数は今の調子のままさらにランキングを上げようと思うならば、例えば日本が免除されているレベルの予選で無駄に多い公式戦を組ませてしまい、アジア下位のランキングを見た目上底上げさせるという方法も考えられる。例えば東南アジアのランク100位より下のチームに無駄に試合をさせて50位程度まで稼がせてから3次予選で食ってしまえば、その時の獲得ポイントは1.5倍ほどになるので、間接的にポイントを稼ぐことができる。ただ、そこまでしてポイントを稼ごうとする意味があるとは筆者は考えない。

W杯とコンフェデで合わせて勝ち点10を取れるようになれば20位以内で安定するはず

 結局のところ、ワールドカップ本戦やコンフェデで勝てればランク20位以内には入っていけるのであり、そうでない限りは各大陸の予選の形式や時期に強い影響を受けてどうにでもなるので、大陸内での順位以外は気にする必要性はまずない、ということである。どうしても区切りをつけたいなら、現在なら70位より上か下か程度だけ見ておけばよい。

旧ランクのイメージは捨てよう

FIFAランキングについては現行の方式ができる以前に2006年7月12日以前の計算方式 があり、その時の印象を引きずったままの人も多いようである。当時は大陸杯予選は親善試合の1.5倍なので、代わりに強豪との親善でも相手の強さによる係数でポイントを稼ぐことができた。また12カ月のうちポイントの高い上位7試合を抽出した平均だったため、ポイントの低い試合の結果を計算から除外するために適当に勝てそうな試合を組むとランキングが上がりやすく、その時のイメージのまま「弱い国との親善試合を組むと負け試合を計算から除外できランクが上がる」と語られることがあるが、現行システムの場合「勝っても現在の平均ポイントを下回るポイントしか得られない」というほどの弱小との試合を組むと、勝ってもランクが下がる仕組みになっているので、以前のようなことは起きなくなっている。

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