U-20の結果が将来を決めると思ってはいけない理由

U-20ワールドカップの結果は国内でもそこそこ人気を集めていたが、この結果が将来の日本代表を直接左右するかのような発言も見受けられたので、そうではないことを説明する。

A代表の年代別代表経験者は半分程度かそれ以下

 A代表がみな年代別経験者というわけではない。例えば、2010南アW杯代表と、2017年3月の代表で見てみよう。()はU20代表経験があるが本戦未出場、*は予選敗退した年の代表を示す。

【2010南アW杯代表】
川島 03 楢崎 (95) 川口 –
中澤 - 闘莉王 - 長友 - 内田 07 駒野 01 岩政 - 矢野 –
長谷部 - 遠藤保 99 阿部 (01) 今野 (01) 稲本 99 俊輔 97 憲剛 –
松井 (01) 大久保 (01) 本田 05 森本 05 岡崎 - 玉田
U-WC 本戦出場者 8/23
U-WC 代表経験者 13/23
【2017.3アジア最終予選代表】
川島 03 西川 05 林 07
吉田 - 宏樹 - 高徳 11* 長友 - 森重 07 昌子 - 植田 13* 槙野 07
香川 07 山口 - 長谷部 - 今野 (01) 清武 - 高萩 - 倉田 - 遠藤航 11*
大迫 - 久保 13* 原口 09* 本田 05 岡崎 - 小林悠 - 浅野 - 宇佐美 11*
U-WC 本戦出場者 6/23
U-WC 代表経験者 14/23

以上のように、A代表のうちU20W杯経験者は1/3程度で、UW杯を含まないU20代表経験でさえ半分程度にとどまる。意外と少ないことが分かるだろう。

これらは、単純に早熟の選手がこちらに出て晩成した選手が後から追い抜くこともあるし、U20の大会は2学年分をまとめているため下の学年の選手が上がってくるのが遅いということもある。下の学年の選手向けに、U20の大会と同時期にU19の大会(トゥーロン国際大会)が開かれており、それなりに有力なメンバーがそちらに出ている。加えて、20歳以下でもすでにクラブで成功を収めている選手はクラブ側が出さないこともある。今回の大会で言えばフランスのムバッペはその代表格と言えるだろう。また、2001年大会のように予選の主力でありつつもクラブでの怪我から出ていない選手が大量にA代表入りするケースもある。

この中からA代表に定着するのは1~3人程度

A代表を多数輩出した黄金世代を別として、2000年以降のU20ワールドカップ代表で、年代的にW杯2大会を経験できる世代でA代表に定着した(15試合以上)メンバーを挙げてみよう。

2001年 駒野(78) 前田(33) 寿人(31)
2003年 今野(88) 川島(74) 栗原(20)
2005年 本田(88) 西川(31) 伊野波(20)
2007年 内田(74) 森重(41) 槙野(24) ハーフナー(18)
2009年 香川(86) 原口(22) 柿谷(18)

W杯に2大会以上出るようなメンバーはU20代表から世代1人、W杯に1回出られるメンバーがもう1人、アジアカップや予選でワンポイントで活躍するメンバーが+1~2人というところである。前述のようにA代表にU20W杯未経験者が多く入ってくることもあるし、U20大会は所詮は2学年分の代表なのに対しW杯は4年に1回、良い選手なら2~3大会は連続して代表に入るため、A代表はU代表2~4世代の選手間が争うさらに狭き門となっている。A代表の半分がU20代表未経験であることを鑑みれば、U20代表からA代表に残るのは1/4~1/8ということになり、U20代表からA代表に残れるのは1~3人という数字はここからくる。

また、U20代表に選ばれた選手がプロ入り後のキャリアを保証されているわけでさえない。さすがに全員プロ入りくらいはするが、J1ではぱっとせずJ2でプレーを続ける選手も1/3程度出る。U20代表に選ばれた選手がそのまま将来のA代表に反映されるということはまずない。

クジ運の影響が大きい

U20大会は2年ごとに行われ、A代表ほどみっちりランキングを決めるわけではない。したがって、事前のランキング査定も信頼のおけるものではなく、即製のものである。このため、籤運が大きく左右することもある。例えば2017年大会では日本は4チームと対戦しどの相手もにそこそこ善戦したが、グループリーグで敗退した南アフリカを除けば残り3つはベスト4に入っており、日本もクジ次第ではあと1~3は勝ちが増えただろう。しかしそれはあくまでクジ運であり、あまり気にする必要はない。

育成目的であり監督もそこそこ

U20の監督は基本的に育成畑であり、プロクラブを率いるレベルの監督は基本的に来ない。どこの境界も勝利至上主義で来ているわけではなく、その点であまり結果に拘泥する必要はないだろう。

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U-20の結果が将来を決めると思ってはいけない理由」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 五輪でさえ「将来の日本代表」への貢献度は高くない | είναι ταυτολογία

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